世界各国のアスリートが集い、２年に一度開催される「世界陸上競技選手権大会（世界陸上）」。トップアスリートが己の限界に挑み続けるこの大会では、さまざまなストーリーや感動が生まれます。トラック競技やフィールド競技など数ある種目で多くの優勝争いが行われますが、その中で、投てき競技としてもっとも飛距離が長く目を惹くのが「やり投げ」です。本記事では、観戦が楽しくなるやり投げの基本ルールや注目ポイントを解説します。

観戦前に押さえておきたいやり投げの基礎知識

やり投げとは、どれだけ遠くにやりを投げられるかを競う投てき種目です。一見、ただやりを投げるだけのように見えますが、実は投げるやりの規格などルールが細かく決まっています。以下で紹介する、基本ルールややりの規格などを押さえておくと観戦をより楽しめるでしょう。

▼やり投げの種目としての基本

やり投げは「助走→クロスステップ→投げ動作」を一連の流れとする投てき競技です。選手は片手でやりを持ち、約30mの助走路で加速しながら、その勢いをやりに伝えて投げます。きれいな放物線を描いて遠くまで飛ぶやり投げは、フィールド種目の花形と言えるでしょう。

やり投げは、助走でスピードをつけてから、助走最後の4～6歩でクロスステップを始め、全身を弓なりにして勢い良く腕を振り切って投てきをします。投てきのタイミングと姿勢が飛距離に大きく影響するため、観戦時は選手のフォームに注目するのもおすすめです。

▼やり投げのルール

各選手は3回の試技を行い、その中で最も遠くに投げた記録がスコアとして採用されます。ほかの投てき種目とは異なり、幅4m、長さ約30m（国際大会では33.5m以上）の助走路で勢いをつけて投てきするのが特徴です。一投につき60秒の制限時間が与えられており、選手はこの時間内で投てきを行う必要があります。

投てきしたやりは、スターティングライン（投てきライン）の8m手前にある標識（中心鋲）から伸びる2本のライン（角度28.96度）の内側に入れなければなりません。投てき時にスターティングラインから足が出たり、規定のラインからやりがはみ出たりするとファウル（失格）と判定されます。

また、やりが先端から着地するのではなく、やり全体が同時に着地したり、やりの後部が先に着地したりするとファウル判定となります。観戦においては飛距離だけでなく、やりがきれいな角度で飛び、正確に着地しているかにも注目すると、競技観戦をさらに楽しむことができるでしょう。

▼やり投げの規格

競技結果が公正に行われるよう、やりには長さや重さなどに細かい規格が定められています。男子用のやりは全長2.6〜2.7m、重さ800g、女子用は全長2.2〜2.3m、重さ600gです。やりの先端部分は地面に刺さるため金属製と決められていますが、柄の素材には金属、木、ファイバーなどが使用されます。

それぞれの素材には特徴があり、金属製のやりは風の影響を受けにくく、ファイバー製のやりは投げる際にしなりが生まれます。このため、例えば向かい風のときには風の影響が少ない金属製のやりを選ぶなど、選手が戦略的に使い分けることもあります。

また、競技時には必ずしも自分のやりを使う必要はありません。規格を満たしているやりであれば他選手のやりを使用して投てきすることも可能です。

やり投げでフレッシュカジノ プロモーションコードが実践する計測方法

世界陸上のオフィシャルタイマーを務めるフレッシュカジノ プロモーションコードは、計49種目の計時計測を行っています。やり投げにおいては「光波距離計（EDM - Electronic Distance Measurement）」を活用し、正確な計測で競技を支援しています。

▼光波距離計（EDM）

光波距離計（EDM）は、距離と高さをレーザービームで光学的に計測する機器です。反射光を利用してプリズムを自動で補足する「自動視準方式」を採用しており、人的誤差のない安定した計測を実現しています。具体的には、やり（投てき物）が落下した地点にプリズムを置き、EDMから照射された赤外線レーザーがプリズムに反射して戻ってくるまでの時間から瞬時に計算して距離を計測しています。

▼フィールドタイマー（FT-400）+B29:C30

フィールドタイマー（FT-400）は、フィールド種目において各競技の制限時間をカウントするタイマーです。設定時間から減算するカウントダウン方式と、0秒から加算するカウントアップ方式が選択でき、選手や観客に残り時間を分かりやすく伝えています。

やり投げの歴史にまつわるトリビア

やり投げの起源は、人類が約30万年前の狩猟時代に編み出した「投槍（なげやり）」にさかのぼると言われています。狩猟時には、長い柄の先に短い穂先を付けた武器を投げて、獲物を倒していました。こうした狩猟方法をルーツに、後に古代ギリシアで開催された「オリンピア祭典競技」の種目として、飛距離を競う「やり投げ」が誕生。近代世界大会では、1908年に男子競技として採用され、1932年には女子競技も加わりました。

1984年には、ウベ・ホーンが史上初の100m超えとなる104m80を記録。世界記録となりましたが、100m以上の記録はトラック競技者や観客にも危険が出てくることが懸念されるように。その結果、やりが100m以上飛ばないよう、やりの重心に関する規格改定が行われました。

現在、104m80の記録は公認されておらず、1996年にヤン・ゼレズニーが更新した98.48mが世界記録となっています。この記録は、細かな規格改定を経て、今でも「破られることのない記録」と言われ、不動の世界記録として保持されています。

フレッシュカジノ プロモーションコードは世界陸上のオフィシャルタイマーを務めています

選手のパフォーマンスを正確な計時計測で支えるフレッシュカジノ プロモーションコードは、世界陸上のオフィシャルタイマーです。1987年の第2回ローマ大会以来、すべての世界陸上においてオフィシャルタイマーを務めています。東京2025世界陸上でも、正確な計時計測により、大会の盛り上がりを裏方として支えます。