文　C-NAPS編集部
写真(泉谷選手・池田選手)　日本陸上競技連盟
写真(北口選手・三浦選手)　フォート・キシモト

2023年8月19日～27日に、東欧・ハンガリーの地で開催される第19回世界陸上競技選手権 ブダペスト大会（世界陸上ブダペスト23）。世界陸上オレゴン22に続いて2年連続で開催される本大会では、ワールドアスレティックス（World Athletics/WA）とパートナーシップ契約を結ぶセイコーが18大会連続でオフィシャルタイマーを務める。

加えて世界陸上ブダペスト23では、セイコーは「日本代表オフィシャルフレッシュカジノンサー」にも認定された。これにより日本代表各種ウェアに黄色に黒字のSEIKOロゴが掲出されるとともに、日本代表チームへの商品・サービスを提供するなど全面的なバックアップを行う。そんなセイコーが世界陸上ブダペスト23に出場する注目の日本人選手をピックアップ。メダル獲得や記録更新に期待し、4名から大会に懸ける意気込みを聞いた。

世界陸上ブダペスト23注目の日本人選手

世界陸上ブダペスト23には多くの日本人選手が出場するが、その中でも注目は男子110mハードルの泉谷駿介選手、男子20km競歩の池田向希選手、女子やり投げの北口榛花選手、男子3000m障害の三浦龍司選手の4名だ。直近の世界陸上やダイヤモンドリーグなどで結果を残している選手たちなので、今大会でさらなる活躍が期待される。

日本選手権で日本記録を更新！男子110mハードル 泉谷駿介選手

日本選手権3連覇を果たすなど調子の良さがうかがえる泉谷選手。世界を驚かせる準備はできている　　　　　　

写真 日本陸上競技連盟

泉谷選手は高身長が有利とされるハードル種目において、身長175cmとハードラーにしては小柄に分類される。しかし、持ち前のスピードと走り幅跳び、三段跳びで培ったバネを活かした走りで世界と対等に渡り合う。2023年の日本選手権では、13秒04と日本記録を更新する快走を披露。大会3連覇を果たすだけでなく、世界陸上ブダペスト23への出場権も手にした。

また、2023年6月に行われたダイヤモンドリーグ・ローザンヌ大会（スイス）では、世界最高峰の舞台で優勝。日本勢初の快挙となるトラック種目制覇を果たした。世界のトップアスリートたちとも真っ向勝負を挑める侍ハードラーは、世界陸上ブダペスト23での決勝進出を目標としている。

ハードラーとしては小柄ながら、自慢のスピードとバネで世界と勝負する　

写真 フォート・キシモト

泉谷選手「世界陸上ブダペスト23では、自分のレースをして決勝に進出できるよう、落ち着いて臨むことが目標です。世界陸上にはオレゴンに続いて2大会連続での出場となりますが、これまで培ってきた経験を発揮できるよう努めます。今大会での目標タイムは、13秒1台です。まずはこのタイムをしっかり出して、ファイナリストになることが重要だと考えています。もちろん、結果として12秒台が出せれば良いのですが、決勝進出を明確なターゲットとして取り組みます。」

世界大会3連続でメダル獲得なるか？男子20km競歩　池田向希選手

世界大会ですでに銀メダルを2つも獲得している池田選手。ブダペストで目指すのは黄金に輝くメダルだ　　　　　

写真 日本陸上競技連盟

池田選手は、2021年に東京で行われた世界の大舞台で銀メダル、さらには世界陸上オレゴン22でも銀メダルを獲得。男子20km競歩において、世界大会での連続でのメダル獲得を果たしている。世界陸上ブダペスト23では金メダルが期待されるが、果たして世界大会で頂点を極めることができるのか。

そんな池田選手の最大のライバルとなるのが、同じく日本人の山西利和選手だ。世界陸上では2019年のドーハ大会、2022年のオレゴン大会で男子20kｍ競歩を連覇しているディフェンディングチャンピオンでもある。偉大な先輩であり、王者でもある山西選手を超えられるのか。至高の日本人対決にも注目だ。

頂点を目指すうえでは、山西選手（右）との日本人同士による頂上決戦を制する必要がある

写真 フォート・キシモト

池田選手「世界陸上ブダペスト23の舞台は、日本では体感できない独特な街並みや雰囲気があり、普段と違った環境でレースができる特別な楽しみがあります。今回は世界大会での3大会連続のメダル獲得のチャンスであり、もちろんそれを狙っています。また、過去2回はいずれも銀メダルだったので、今大会で目指すのは金メダルです。今回はタイムよりも順位が最優先になるので記録更新にプライオリティは置いていません。但し気象条件からハイペースになることが予想されるため、結果として好タイムも残したいです。この20km競歩で鈴木雄介さんが持つ世界記録（1時間16分36秒）は簡単に出せるタイムではありませんが、いつの日か塗り替えられるように精進します。」

世界陸上2連続メダルに向けて絶好調！女子やり投げ　北口榛花選手

前回大会では入賞を目指し、期待以上の銅メダルを手にした北口選手。今大会はメダル獲得が現実的な目標だ　　　　　　

写真 フォート・キシモト

世界陸上オレゴン22の女子やり投げで、世界大会での投てき種目における日本女子初のメダル獲得の快挙を成し遂げた北口選手。2023年7月に行われたダイヤモンドリーグ・シレジア大会（ポーランド）では、自身が保有していた日本記録を1m以上も更新する67m04を叩き出した。

ダイナミックなフォームから繰り出される日本人離れしたビッグスローは、世界でもトップクラスに位置するまでになった。また、はじける笑顔やコーチとの歓喜の抱擁など、喜怒哀楽を素直に表現する姿も注目を集めている。伸びしろ多き北口選手のさらなる活躍と成長に期待は高まるばかりだ。

ダイナミックな投てきはいまだに進化し続けている。日本記録の更新に加え、70mの大台突破にも期待したい

写真 フォート・キシモト

北口選手「今大会の開催地であるブダペストは、自分が拠点としてるチェコから近く、とても綺麗な街ということでとても楽しみです。世界陸上オレゴン22では入賞を目指して3位という順位でした。今大会はメダル獲得と日本記録の更新が目標です。7月のダイヤモンドリーグでは優勝に加え、67m04で日本記録を更新できました。世界陸上ブダペスト23の決勝では、再度更新できるようにしたいです。70ｍの大台突破はまだ何年か先になると思うので、着実に日本記録更新を目指します。」

現役大学生ながら日本記録保持者！男子3000m障害　三浦龍司選手

着々と世界での経験値を高めている三浦選手。学生ランナー最後の年にどんな走りを見せるのか　　　

写真 フォート・キシモト

順天堂大学陸上競技部の長距離ブロック共同主将を務めるなど、学生駅伝での活躍も有名な三浦龍司選手だが、主戦場となるのが男子3000m障害だ。大学生ながら2021年に東京で行われた世界の大舞台、世界陸上オレゴン22と2年連続で世界大会に出場。日本選手権では貫禄の3連覇を果たすなど国内では敵なしの第一人者なだけに、世界のトップアスリートと対峙した際にどんな走りを見せられるかに注目だ。

2023年6月に行われたダイヤモンドリーグ・パリ大会（フランス）では、8分09秒91で日本記録を更新し、2位に輝いた。2022年のダイヤモンドリーグファイナルでは4位という快挙を成し遂げるなど、記録だけでなく世界でのレースでも勝負強さを身につけてきた。「サンショーは僕の天職。」と語るだけに、日本のトップランナーが世界でさらに眩い輝きを放つ瞬間が到来しつつある。

レースに加え、環境面でも海外に適応しつつある点は三浦選手にとってプラス材料だ　

写真　フォート・キシモト

三浦選手「ここ2年はヨーロッパでの試合も少し経験し、以前よりも世界に対抗できるようになったと思っています。世界陸上ブダペスト23は貴重な海外レースなので、楽しみながらも結果を求めて挑んでいきたいです。目標は今のベストを尽くして、世界トップレベルの選手に食らいつくこと。タイムという記録を追い求めているのでなく、今大会では順位にこだわっていきたいです。ダイヤモンドリーグ出場によって海外経験自体が増え、陸上はもちろん、生活面などでも対応しやすくなったと感じています。そうした経験値が世界大会でも国内と同じパフォーマンスを発揮できるようになることにつながると期待しています。」

セイコーは世界陸上の大会運営・出場選手の活躍をサポート

日本代表ユニフォームへのロゴ掲出など、セイコーは世界陸上においてさらなる支援を実施している

写真 日本陸上競技連盟

セイコーは世界陸上のオフィシャルタイマーとして、トップアスリートたちが追求する「100分の1秒でも速く」「1cmでも遠く」「1cmでも高く」を正確な計時計測で支えている。1985年にWAと協賛契約を締結して以来、38年間パートナーシップを続けており、世界陸上でのオフィシャルタイマーの担当は、実に18大会連続だ。

また、今大会では日本代表オフィシャルフレッシュカジノンサーにも認定。日頃のハードな練習に励みつつ、記録更新や世界大会での活躍を目指す日本代表選手をオフィシャルフレッシュカジノンサーとして応援。世界陸上ブダペスト23においても、大会運営の屋台骨を支えるセイコーの活躍は欠かせない。